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単騎で千里は走れない/2016年抱負

(こちらのコラムは2015年12月分の御報告に寄付者の方にお送りした
メールマガジンを一部加筆編集したものです。)

「単騎千里を走る」は小説『三国志演義』において
関羽が一時仕えていた曹操のもとから劉備のもとに
その婦人をつれ、単騎で敵のいる関所をいくつも通りながら帰るというもので、
関羽の仁義と豪傑ぶりを示す血沸き肉踊るエピソードですが、
一方、あまりにも無茶な話とも言えます。
会社であれ、NPOの社会的活動であれ、
多くの活動が誰かひとりから始まります。

起業家とは現在の延長線上にない
さらによりよい未来を築きたいと
奮起し「業を起こす」わけですから、
他人からは見えない未来から
現在を見るという時間軸の中に生きるわけで、
他者からはドンキ・ホーテに見える事もあるでしょう。

例えば、10トンの大岩をひとりどかそうとしていたら
多くの通りすがりの人が「?」「無理」という目で見るかもしれません。

しかし、通りすがる人になぜ、それをどかそうとしているのか、
その大岩の向こう側に何があるのか(ビジョン)を、
説明すれば、そのビジョンと、なりふり構わない
賢明な姿に心を打たれる人も稀にはいます。
そして、二人、三人・・・と仲間が続いていきます。

そして最後には無理だと言われた
大岩の向こう側の世界を見る事ができるのです。

10トンの岩は一人では持ち上げられないし、
単騎で敵に囲まれた十里は走れても、千里は走れないのです。
一つの関門は通れても、
2つ目、3つ目、と更なる関門が出てきて、
多くの場合は挫折してしまいます。

「早く行きたいなら一人で行け、
遠くへ行きたいならみんなで行け」

そのため、リーダーは見ている未来(ビジョン)を明確に語り、
それを社会に伝える力が必要だと思います。

2016年は組織強化へ

今OVAに最も必要なのは「ひと」であり
組織の強化だと考えています。

現状、事務局は伊藤+アシスタント
相談員は伊藤+二人+(一人育成中)という状況です。
インターン・ボランティアが数名います。

2016年に「第一期OVAインターン」と称して期限をつけ人を集めました。
「圧倒的な創造的経験を。」と題して募集した記事は
1か月で2200PV以上読まれ、確かに優秀な人達が集まってきました。

しかし急に関係者が増え、
マネジメントを代表一人でやっているため
一部の人を生かしきれていないのが現状です。

ミドルがいない、これが課題です。
その現状をなんとかしないことには、
今後の成長はないと考えます。

これらの人材を今まで「待って」いたわけですが、
それは誤りで、戦略の計画立案と
戦術(マーケティング)実行を怠っていました。
またOVAの活動は、ほぼすべてがリモートワークです。

それによって時間的・金銭的コストを圧倒的に抑える事ができます。
しかし、かかわってくれる人の
モチベーションを保つのも難しいという課題も感じています。

今年より、リモートオフィスデイというのを試験的につくり、
定期的に「電話をつなぎながらそれぞれが仕事をする時間をつくる」という
同じ時間を共有できるオンラインのオフィスのようなものを
つくってみたいと思っています。

(今までは打ち合わせで話して個々の仕事は別々の時間でやっていました)
また、今までは基本伊藤が個人でタスクリストを持っていて、
スタッフ・インターン等にそれぞれにアサインする方式でしたが、
OVAのタスク一覧やルーチンをまとめ
クラウド上でスタッフと共有し、何が優先され、
今、誰が何をしているのかを明確化しました。

これで、アサインもしやすくなりました。
これらは内部の話ですが
2016年に始める予定の新しい大きな取り組みとして

・性被害に次ぐ新しい分野でのアウトリーチ、
・インターネットゲートキーパー事業の進化版の実施、
・メンタルヘルス啓発及びメディアの開始
・suicide prevention professional育成プロジェクト
(相談員の暗黙知を形式化する内部プロジェクト)

があります。

2016年は対外的には今までよりは地味にはなりそうですが、
今後の飛躍に向けた足固めを行っていきます。
引き続き温かい目で
見守っていただけると嬉しく思います。

OVA代表 伊藤次郎


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