NPO法人OVAが提供する「SOSフィルター」は2024年9月、児童生徒へ配布される1人1台端末に5万インストールされたことを発表いたします。同年7月10日にリリース後、複数の問い合わせをいただき、本日時点で6つの教育委員会、1つの私立学校で導入いただきました。
市内の全小中学校に導入いただいた三重県伊賀市では、SOSフィルターを導入いただいた目的として、「悩みを抱える児童生徒を適切な支援につないだり、児童生徒が自分自身で心身の異変に気付きセルフケアを行ったりすることをサポートすること」を挙げました*)。
*)参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000121150.html
OVAでは今後も全国の教育機関での普及を目指し、無償提供を続けてまいります。
SOSフィルターとは
SOSフィルターは、児童生徒が1人1台端末で深刻な悩みに関するワードを検索した際、相談窓口やセルフケアに関する情報をプッシュ型で届けられるブラウザ拡張機能です。
キーワードは、「自殺」「学校での人間関係(いじめ等)」「家庭での人間関係(虐待等)」「性暴力」「自傷」「精神疾患」と計6つのカテゴリーで、計4796個を設定。2024年9月現在、「GoogleChrome」と「Microsoft Edge」ブラウザに対応しています。
<キーワードの一例>
・自殺:「死にたい」「消えたい」「自殺」
・学校での人間関係:「ハブられるつらい」「いじめ 辛い」「友人関係 悩み」
・家庭での人間関係:「虐待」「親 殴られる」「家しんどい」
・性暴力:「裸を撮られた」「痴漢」
・自傷:「OD」「リスカ」「自傷」
・精神疾患:「寝れない」「メンタルつらい」「うつ」
※左側がカテゴリー名
現状の1人1台端末は、検索キーワードのフィルタリングが強く設定されており、特定の内容は結果が表示されない場合があります。有害な情報に触れさせないことは自殺予防の観点からも大切ですが、「死にたい」といった感情の吐露ともいえる検索行動を制限されると、生徒は抱える悩みや感情を否定されているように感じる可能性があります。
また、SOSを早期に把握する1人1台端末向けツールは既にありますが、深刻な悩みに関するキーワードで検索すると学校に自動で通知が届くものや、検索結果を出なくするケースが多く、児童生徒が安心して利用をできません。さらに、その多くが有償であり、予算を確保できる教育機関しか導入できず、地域差が生じるという課題があります。
そこで、SOSフィルターは無償であり、かつ検索した生徒個人を特定したり、学校に通知が届くといった設計はあえて行わないようにしました。検索内容によっては学校や児童相談所が介入すべきケースもありますが、1人1台端末で深刻な悩みに関する検索行動が行われており、多くが何ら対処をしていない、また対処されている場合でも監視・制限的な対応をしている現状を考え、まずは「児童生徒が安心して利用でき、援助要請・セルフケアの能力を高められる無償ツールを全ての教育機関に提供したい」と、開発を決めました。
導入に関心のある教育委員会様、教育関係者の皆さまは、下記のサービスサイトからお問い合わせください。
https://sos-filter.ova-japan.org